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Forum 148 失敗学フォーラム Osaka -報告-

2017年 11月 25日(土) 13:00 - 17:00
弁天町ORC200生涯学習センター、クラフトルーム

一 般: 1,000円、失敗学会員: 500円、大阪分科会員: 無料
参加者: (会員) 飯野謙次,岩崎雅昭,木田一郎,石井健児,岡田敏明,
          大澤勲,三田薫,佐々正光,三国外喜男,角口開道,中根和誠,
          久野裕介,田中健一郎,中野拓視,津田桂男,福井則夫,
          佐伯徹,平松雅伸(忘年会のみ参加)
          (一般)天谷勝弘
          計19名
記録
13:00 講演1 岡田敏明様【講演内容:危険学と安田式遊具】
14:15 休憩
14:30 講演2 岩崎雅昭様【講演内容:自動車のリコールに学ぶ】
15:45 休憩
16:00 大阪分科会会合
       ・年次大会報告テーマ
       ・春合宿
       ・夏の大会
       ・社会人講座
       ・今後のフォーラム
17:00 終了

17:30 忘年会(居酒屋 湖中:費用別)

 寒さが一足飛びで進み、慌ただしく師走へと向かう中、二人の先生を招いた失敗学会Forum148が行われた。
 岡田様のご講演では、子どもの「体育あそび」が現代社会の中で削がれ、子どもの「可能性」を阻害する社会に警鐘を鳴らした。
 現代の子どもの教育環境は、社会の劇的な変化によって変わってきている。子どもの怪我や失敗を「悪」と捉え、そのリスクを徹底的に排除することで、安全なサンドボックスの中で遊ばせている。一方、遊具は「怪我をするから」という理由で排除されている。果たしてこれが正しい教育なのであろうか。子どもは怪我や失敗を通して前頭前野や知覚統合が鍛えられていく。
 その中で、当学会では「安田式遊具」に光を見出している。これは、体育教育に生涯を捧げた安田祐治先生の研究を元に、エール社が開発導入している遊具である。当学会では第143回フォーラムでエール社を訪問・試遊している。読者は是非安田式遊具で遊んでいる子ども達の現場を見て欲しい。幼児が恐るべき身体能力を発揮し、「体育あそび」をとても楽しんでいる。一方、「怪我をするから」と導入に反対する親や公立学校は多い。
 安田先生は嘆く。「子どもの遊具を子ども目線で設計する人はいない。子どもの成長を子どもの立場で研究する人はいない」と。

 岩崎様のご講演では、「車のリコール」を題材にお話をされた。
 リコール制度は、半世紀前にアメリカで生まれ、日欧に広まり、今では多くの国々で導入されている。その中で、米Ford社の対応から学ぶことは多々ある。Ford社はピントを発売したが、これは低燃費を売りにした車であり、オイル高や日独の低燃費車の人気に押され、欠陥を残したまま発売してしまった。
 ピントはそのまま人気車となったものの、特に追突追突されたときに燃料タンクが破損しやすく、火災事故を起こしてしまう。しかし、事故後Ford社は判断を誤った。事故による想定死傷者への損害賠償額と全車修理費をコスト比較し、結果、全車修理をしなかった。これによって社会的な制裁と多額の懲罰的賠償を受けてしまう。
 日本の自動車業界の失敗では、三菱とタカタから学ぶことがある。三菱はクレームを幾度となく受けたにも関わらず国土交通省にそれらを隠し続けた。多額の修理費用を免れるためにリコールせず、「ヤミ改修」や「ユーザ側の整備不良主張」をし続けた。結果として、「横浜母子3人死傷事故」を起こし、社会的な制裁を受けた。タカタも対応をユーザ(自動車業界)任せにして、莫大な制裁金を課され、経営に大きく響いた。

 本講演で学ぶこととして、失敗後のリスクマネジメントの大切さがある。逆に松下のように、正しくマネジメントすれば企業への評価が上がることもある。因みに個人情報漏洩事故でも事故後72時間の対応でほぼ全てが決まる。失敗後のリスクマネジメントはどの業界でも共通であることが伺える。失敗を研究する当学会は、これらについて一定の解を追究・頒布・一般化していくことが、社会的な責務であると強く実感した。

 最後に、先日、安田祐治先生が御年96歳で亡くなられた。安田先生の研究成果、子どもへの失敗に対する考え方、そして、何より、全ての子どもが体育を楽しめるように取り組まれた一筋なご姿勢を学び、私は次世代の失敗学の発展に寄与していく所存である。

中野 拓視











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