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第143回失敗学フォーラム in 滋賀 -報告-

安田式遊具体験


日 時:2017年 3月25日(土)、13:15-18:00
訪問先: エール(株)本社 研修所・試遊館(がんばりまめの杜)       滋賀県大津市神領3-1
参加費: 一般 1,000円、失敗学会員 500円、大阪分科会員 無料
参加者: 飯野 謙次、角口 開道、佐々 正光、北村 兼一、福井 則夫
      豊高 勝、八木 基紀、岩崎 雅昭、佐々木 英三、中野 拓視
      田辺 和光、大澤 勲  計12名


13:15 開場
13:30 エール(株)紹介【取締役、居関 達彦】
14:00 私の仕事人生と安田式遊具との出会い 【代表取締役、吉川 静雄】
15:30 質疑応答、社長お手製コーヒー喫茶
16:00 試遊館見学、遊具体験
16:40 大阪分科会議事(春合宿、夏の大会)
18:00 終了

18:30 懇親会(炉ばた居酒屋 大蔵家 総本店 4千円)




 集合場所の滋賀県石山駅は、源氏物語を綴った紫式部が、その着想を得たという言い伝えのある石山寺の最寄り駅だ。 タクシーに分乗して目的地『がんばりまめの杜』に向かうと、お土地柄か、運転手さんが軽やかに観光案内をして下さった。 渋滞の原因となっていたのは『瀬田唐橋(せたのからはし)』。江戸幕府が、 琵琶湖南端から南に伸びる瀬田川を渡る橋を他に作らせなかったことに由来し、今でも北に1km離れて大橋、 南に500m行くと新幹線、名神高速の高架がかかっている。

 後でわかったが、『がんばりまめ』とは、子供が懸命に鉄棒やジャングルジムの竹のぼりで運動したときに、 手のひら、指のつけ根にできる『まめ』のことだそうだ。安田式遊具で遊ぶ子供には、それが勲章だ。

 試遊館に到着すると、待ち受けておられた人に付いて、 あれよあれよという間に色鮮やかな安田式遊具がならんだ展示場に突入、解説が始まった。 まるで、体育の先生のようないでたちだったが、やたら元気なその方が取締役の居関さんだった。

 上の写真を見て、すべり台の幅が広いと思った読者もおられよう。これは、 子供が手すりに頼らず、すべる体感を得て運動能力を高める目的があるそうだ。

 右の写真を注意深く見ると、ジャングルジムに上る梯子の段が、 等間隔ではなく、段差が狭くなったり広くなったりしているのがわかる。 これも等間隔と思っている(というか体がそれに慣れきっている)と、 ヒャッとするのがいいそうだ。恐るべし、安田式遊具

 講演では居関 達彦さんが、安田式遊具の解説として、その生みの親、 安田祐治先生の経験、学識と熱意、また製作するだけではなく、 実際に子供たちに遊ばせた時の指導など、心熱くなる話を拝聴した。 また、安田式遊具で育った子供らが、抜群の身体能力を身につけている動画をいくつも、これでもかと見せられた。 「子供は生まれつき、高い身体能力を持っており、それがいつの間にか現代教育の中で削がれていく。」 ちょうど創造性が、現代教育の中で蝕まれていくのに似ている。

 休憩を挟んで、居関さん義父の吉川静雄エール社社長に、その波乱万丈の人生、 安田式遊具との出会いなどを拝聴した。これは是非とも機会を設けて皆さんに聴いていただきたいと思った。

 講演後、また展示場に案内され、最初は臆していた訪問者たちも、次々に遊具によじ登り、 “安田式” を体験した。ただし、寄る年波には勝てず、雲梯(うんてい)を終点まで行き着いた人もいなければ、 逆上がりをやった人もいなかった。ビデオでは、杖を突いていた80過ぎの安田氏が、後方支持回転をやってのけていた。

 上の写真は、夕方からの懇親会で最後に出てきた『さそりのから揚げ』である。
飯野謙次




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