我々はどこで間違えたのか?
12月20日
第68報:
我々はどこで間違えたのか?<< ここをクリック
2011年12月10日、東京大学本郷キャンパスで失敗学会年次大会が行なわれた。
学会分科会や理事講演の中、吉岡律夫さんの講演、
『我々はどこで間違えたのか?』が注目をあつめた。
第67報まで、福島第一原発事故やその被害や対処について説明を続けてきた吉岡メモであるが、
何がいけなかったのか、肝心の根幹原因は何か、総括する形で吉岡さんの解釈がなされた。
失敗学の観点からは最も気になるところ、
すなわち他でも同じような事故が繰り返されないようにする方策を考える上で最も重要な情報である。
私たちはこれを聞いて、自分なりの結論を導き、これからどうするかを自分で考えなければならない。
後半の質疑応答では、知らないことは『知らぬ』と明言される吉岡さんが印象的だった。
声高に己の思いから自説を主張して人心をも巻き込もうとするえせ専門家や、
自分達が決めた方向に世論を誘導しようとするリーダー達とは違うと思った。
ただし、そんなリーダー達のやり方を否定するつもりはない。それがなりわいなのだから、そうしなければならない。
“決めた方向”が大きく誤っていないことを願うばかりである。
考えることをやめてしまい、信号機の表示のままに進んだり止まったりしているのは自分の意見がないことである。
私たち一人ひとりが自分の進むべき道をきちんと自分で考える時が来ている。
【飯野謙次】