Design for Manufacturing
邦題ブレーンストーミング
August 6, 2007, Stanford, California -- Design for Manufacturing (元来の意味は、製造性を考えて設計すること)については、
失敗学会でも、なんどか紹介してきたが(
スタンフォード大学講座移行、
ME317最終発表会、
NPI Round Table)、このたび、この講義内容が一冊の本にまとめられ、出版されることになった。
この内容を日本語にするにあたり、まず問題となったのはその題である。アメリカでは、dfM あるいは、dfX (X は生産性を含め、複数の製品品質、
例えば、組立性、保守性、などを意味する)という呼び名が定着しており、説明の必要がないが、日本では、
1980年代半ばに始まったこの設計技術論を dfM と言われてもまだまだピンと来ない。“製造性を考えて設計すること”から始まり、今では、
組立性、保守性、製品系列設計、損傷モード、品質機能展開、サプライチェーンなど、設計で考えるべきことを網羅するだけではなく、社会性、
環境保護をも包括する設計技術手法の集大成となっている。
この設計論の出版にあたり、原題に忠実に『生産性設計』と仮題がつけられていたが、それでは“製造工程を考慮した設計論”
のみ取り扱ったものと誤解を招きかねないとし、邦題をどうするか 2年以上に亘り、討論がなされていた。これに終止符を打とうと、
石井浩介スタンフォード大学教授、飯野謙次サイドローズ代表・失敗学会副会長、
それにちょうど客員研究員として、スタンフォードの生産モデリング研究所に在籍している日産自動車の米田 崇さん、
日立製作所の田口謙太郎さんを交えてブレーンストーミングを行った。“デザインX”、“フロンティア”、“カリスマ設計”など、
斬新な命名や“高利益率設計手法”、“価値創生設計”など、お堅いネーミングまで、いろいろ飛び出した。このような“懇親”の意味も含めた会合では、
ピザがつき物。様々なおかず満載のチーズパンをかじるといいアイデアが浮かぶ。
出版は11月ごろの予定である。最終的な邦題はそのときのお楽しみとしていただきたい。