特定非営利活動法人失敗学会 |
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失敗学フォーラム 112 in 文京 報告"わかりやすく利用できる"公共空間の視覚化方策2013年 10月 19日土曜日場 所: 障害者会館 3階会議室B(文京区春日1-16-21文京シビックセンター3階) 参加者:(会員13名)綾部豊樹、飯野謙次、石橋 明、石松範章、角口開道、 佐藤俊一、篠崎友尋、中根和誠、中尾政之、長谷川清一、二平雄二、 福本喜枝、柳澤信一郎 講師:赤瀬達三(あかせ・たつぞう) 黎デザイン総合計画研究所 代表 14:15 開場 14:45 事務連絡 15:00 講演開始 90分 16:30 質疑応答 16:40 終了 17:00 懇親会(庄屋) 第112回失敗学会フォーラムは、サインシステムの第一人者で黎デザイン総合計画研究所代表の赤瀬達三さんをお招きしました。 サインシステムとは公共施設等に設置される案内標識の体系です。赤瀬さんは1972年に千代田線大手町駅サイン計画テストプロジェクトを担当し、営団地下鉄サインシステムを立案したのを立案したのを皮切りに、各駅におけるサインシステム展開のデザイン監修を30年に亘り行ってきました。しかしサインシステムの現状はまだ理想とは程遠く、 「ようやくここまできた」状態なのだそうです。 理想との隔絶の理由には、アプローチの仕方がわからないことがひとつ上げられます。例えば、案内掲示をするにしても文字がぎっしり詰まった掲示は、ぱっと見てすぐに理解できるものではありません。あるいは人の視線が向きにくいところに掲示があっても意味がありません。 わかりにくい事例の写真をみながらの赤瀬さんの「わかりやすさ」についての解説は、なるほどとうなづくことが多くありました。 アプローチの仕方がわかれば改善されるのかと言えば、そう簡単な話ではないことも理解できました。費用がない、総合的に話し合える場がない(土木は土木の考え、建築家の考え等、縦割りで事が進んでしまう)、利害が優先され本来の目的が見えなくなるなど、別の問題が行く手を阻みます。これらの問題改善には、利用する私たちの「わかりにくくて困る」の声が必要と、赤瀬さんは仰いました。 障害を持った人、高齢者、外国の方、そしてそれぞれ異なるシチュエーションで使用する公共の施設では、多くの情報をうまく処理したサインシステムによって、ストレスなく歩けるようになれば、理想に一歩近づいたと言えましょう。私たち利用者の声を積極的に届けつつ、これからはサインシステムの変化を見る、という楽しみが一つ増えました。
(ふくもと・よしえ)
赤瀬達三略歴: デザインディレクター。1946年東京生まれ。1972年千葉大学工学部工業意匠学科卒業。1973年黎インダストリアルデザイン事務所(現・黎デザイン総合計画研究所)設立。千葉大学教授、同大学大学院教授を経て、現在、千葉大学特別講師。東京大学博士(工学)。 サイン計画のおもな仕事に、営団地下鉄(日本デザイン賞)、仙台市地下鉄南北線(通産省選定Gマーク商品)、みなとみらい線(グッドデザイン賞)、横浜ターミナル駅(SDA賞最優秀賞)、アークヒルズ、六本木ヒルズ、首都高速道路、東日本・中日本・西日本高速道路など。 著書: |
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