失敗事例

事例名称 地中配管からのアルコールの漏洩
代表図
事例発生日付 1991年12月02日
事例発生地 広島県 廿日市市
事例発生場所 醸造工場
事例概要 1991年広島県の醸造工場の屋外タンク貯蔵所防油堤外地下配管部の腐食開孔部からアルコールが漏洩し、海に流出したものであるが、かなり以前から漏洩しており12月2日頃からその量が増加したものと思われる。1969年2月22日に完成したタンクに付帯する配管の地下埋設部で経年劣化のため腐食開孔した。アルコールが水溶性のため、発見が遅れたと思われる。
事象 長期使用の地中配管からのアルコール漏洩。図2参照
プロセス 貯蔵(液体)
物質 エタノール(ethanol)、図3
事故の種類 漏洩
経過 屋外タンク貯蔵所防油堤外地下配管部の腐食によりできた穴からアルコールが漏洩し、海に流出した。かなり以前から漏洩しており1991年12月2日頃からその量が増加したものと思われる。配管は1969年2月に完成したタンクの付帯設備で、敷設後約23年経過した。
原因 経年劣化のため腐食開孔した。アルコールが水溶性のため、発見が遅れたと思われる。
対策 配管材料をステンレスにし、地下埋設配管からピット内配管に変更した。
知識化 1.地下埋設配管からの漏れの発見は非常に難しい。時には地下水流に乗り離れた箇所で発見されることがある。定期的な検査が重要であろう。
2.アルコール類などの水溶性のものは地下水と混じると発見しにくい。近くに水溶性物質の配管があることを意識し、臭いに注意する。
背景 1.腐食
2.埋設配管でも管の腐食防御をきちんとすると、外面からの腐食は十分に防げる。あるいは管内面からエタノールにより腐食されたか?資料が乏しく判断できないが、いずれにせよ、管理の不具合があったと思われる。
よもやま話 ☆ 地下埋設配管の管理は難しい。できるなら、トレンチやトンネル内の配管にして管理を容易にすべきであろう。
データベース登録の
動機
地下埋設配管の管理の難しさの例
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全対策不良、組織運営不良、管理不良、管理の緩み、使用、保守・修理、検査せず、破損、減肉、腐食、二次災害、損壊、漏洩
情報源 消防庁、危険物に係る事故事例-平成3年(1992)、p.32、500-501
物的被害 エタノール、埋設配管.
被害金額 2000万円(危険物に係る事故事例)
マルチメディアファイル 図2.腐食箇所図
図3.化学式
分野 化学物質・プラント
データ作成者 吉永 淳 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)