失敗事例

事例名称 玉掛用ワイヤロープが切れH形鋼が落下
代表図
事例発生場所 鉄骨製造工場
機器 玉掛用ワイヤロープ
事例概要 1トン近いH形鋼を目通し1本吊りで吊上げたため玉掛用ワイヤロープが切れて落下した.
事象 鉄骨製造工場で,H形鋼(300mm×300mm×9.5m,質量:0.9t)5本をつり上げ荷重が4.8tの床上操作式天井クレーンでトラックに積みこむ際,12mmの玉掛用ワイヤロープ1本で目通し1本吊りにして10cm程巻上げたところ,玉掛用ワイヤロープが切断し,運転を行っていた被災者に崩れかかった.
原因 12mmのワイヤロープの破断荷重は約7tで,今回の吊り荷4.5tに対して安全係数の余裕が非常に低く,目通し吊りにおけるワイヤロープの強度低下などの影響を吸収できなかったことである.被災者は,玉掛資格,クレーンの運転資格のいずれをも所持していなかったため,適切なワイヤロープの選択ができなかった.
対策 必要な資格を取得させる等教育の充実を推進する.
知識化 4.5tもある荷を破断荷重約7tのワイヤロープで1本吊りするのは,全く無知であり,無謀である.教育(資格取得)の重要性再認識の必要あり.
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、法的無資格作業、無知、知識不足、経験不足、ワイヤロープ安全率不足、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、一本つり作業、定常動作、危険動作、危険場所立ち入り、つり荷直下での作業、破損、破壊・損傷、破壊・破断、ワイヤロープの切断、身体的被害、死亡、事故死、崩れた荷の下敷き
情報源 安全衛生情報センター
死者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)