失敗事例

事例名称 安全義務違反で起きた洗鉱機による死亡事故
代表図
事例発生日付 2002年01月21日
事例発生地 米国、コロラド州、ラリマー郡、フォート・コリンズ工場
事例発生場所 砂と砂利の作業工場
事例概要 2002年1月21日フォート・コリンズ工場の従業員一人が、丸太状の洗鉱機に登り、排水溝の詰まりを取り除く作業をしている際、調整室にいた従業員が誤って洗鉱機のスタート・ボタンを押し、洗鉱機をスタートさせた。数分後、他の従業員が、洗鉱機のペダルの部分にもつれている被害者を発見。その時点で、緊急要員が現場に駆けつけたが、被害者は既に死亡していた。この事故の原因は、機械のクリーニング、又は、保全時の際の電気関連のスイッチを切る時に、固定させるか又は、札を貼ると様義務付けられているが、それが行われていなかった為に起きたと見られている。
事象 2002年1月21日フォート・コリンズ工場の従業員一人が、丸太状の洗鉱機に登り、排水溝の詰まりを取り除く作業をしている際、調整室にいた従業員が誤って洗鉱機のスタート・ボタンを押し、洗鉱機をスタートさせた。数分後、他の従業員が、洗鉱機のペダルの部分にもつれている被害者を発見。その時点で、緊急要員が現場に駆けつけたが、被害者は既に死亡していた。
経過 午前7時から通常作業は開始されるが、事故当日は、材料が凍っていたため、午前中は通常作業は行われなかった。午後12時15分から通常作業は開始され、4時40分まで続けられた。工場が作業を終了した後、被害者は携帯の梯子で、丸太状の洗鉱機に登り、残骸をバルブから取り除く為、洗鉱機の中に入った。その頃、調整室では、ベルト・コンベアーの校正を行おうとしていた従業員の一人が、校正書を取ろうと手を伸ばした際に、誤って洗鉱機のスタート・ボタンに触れた。被害者と仕事をしていたもう一人の従業員、A氏は、洗鉱機を止めるように調整室に走った。この時点で、調整室にいた従業員が2つのスイッチが入っているのを発見、即座に両方を遮断した。数分後、他の従業員が、洗鉱機のペダルの部分にもつれている被害者を発見。その時点で、緊急要員が現場に駆けつけたが、被害者は既に死亡していた。
原因 この事故の原因は、機械のクリーニング、又は、保全時の際の電気関連のスイッチを切る時に、固定させるか又は、札を貼るよう義務付けられているのに、それが行われていなかった為に起きたと見られている。
対処 被害者と仕事をしていたもう一人の従業員、A氏が、洗鉱機を止めるように調整室に走った。この時点で、調整室にいた従業員が2つのスイッチが入っているのを発見、即座に両方を遮断した。数分後、他の従業員が、洗鉱機のペダルの部分にもつれている被害者を発見。その時点で、緊急要員が現場に駆けつけたが、被害者は既に死亡していた。
対策 従業員全員に対して、電気関連装置が切られる際の固定、又は札を貼るという作業の、再トレーニングを行った。
知識化 従業員に対しての、電気装置が切られる時の固定や札を貼るという、再トレーニングも必要であるが、従業員が電気装置のクリーニングや保持を行う際に、再確認の方法を考慮するべきである。
背景 フォート・コリンズ工場は、新しい鉱山工場で、同年1月1日から作業を開始している。事故後の監査が、この工場の最初の通常監査となった。
後日談 事故当日、オーダー7943948号がセクション103(K)の規定の下に今回事故を起こしたフォート・コリンズ工場に出され、機械の修復、又、通常作業にもどれるようになる1月25日まで作業は停止された。又、1月22日には、召喚状7914267号が出され、全従業員に、適切な機械の固定又は、札を貼る手順が再トレーニングした。このオーダーは1月25日に解除された。
データベース登録の
動機
鉱山業は、古くからある産業なので、事故に対する首尾は万全なものと思われるので、どの様な事故が起こったのか、個人的に興味があった。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、教育・訓練不足、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、定常動作、不注意動作、機能不全、諸元未達、身体的被害、死亡
情報源 http://msha.gov/FATALS/2002/FTL02m04.HTM
死者数 1
分野 機械
データ作成者 ヤエココン (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)