失敗事例

事例名称 点検不備による列車脱線事故
代表図
事例発生日付 2002年05月10日
事例発生地 イギリス、ポッターズバー
事例発生場所 WAGN列車
事例概要 イギリスのWAGN列車は、線路の整備ミスのため脱線事故を起こし、7人が死亡、76人の重軽傷をだした。
事象 WAGN(1245ウェスト・アングリア・ノーザン・サービス)列車は、ケンブリッジクルーザー365型電動列車で、イギリス時間金曜日、12時45分にロンドンを出発したが、すぐにポッターズバー駅手前で、線路不備のため脱線事故を起こし、列車の一部は線路から脱線し、ポッターズバー駅のホームに突っ込み、ホームにあった待合室は無残にも破壊された。また、最後部車両はダークスレーンに架かる橋のてっぺんに衝突したため、橋の下の道路に瓦礫の雨を降らした。救助が迅速に行われ、また市民も手助けをした。
経過 列車がポッターズバー駅手前にさしかかった時、線路のポイントシステムのナットが緩んでいたため、列車が脱線し、列車の一部は駅のホームに突っ込み、最後部車両は橋に衝突し、7人が死亡、76人が重軽傷を負った。
原因 鉄道整備会社A社は、5月1日の点検で、列車の方向を変えるポイントシステムのナットが外れているのを発見し、その時点で修復しており、事故が起こる前日9日には、なんの不備も見られなかったと話している。また、RailtrackはA会社の整備員に間違った指示を出していた事実が、後の調査で明らかになった。A社は、ロンドン方面に向けての上りの線路を点検するように指示されており、実際はロンドンからの下り方面の線路の点検の要請を受けていなくてはいけなかった。そのため、上り方面の線路の点検だけを行ったため、システムポイントのナットが緩んでいたのを発見できず、脱線事故を引き起こした。
対処 救助がすぐにかけつけた上、一般市民も救出の手助けをした。
対策 政府は去年Railtrackに対し、新しい基準での契約事項を勧めたが、今のところ実行されておらず、9月までには実行に移す予定である。
知識化 鉄道事故が多い中、ほとんどは整備の不備によるものが原因である。規則的に細かく点検しないと、簡単に惨事を招いてしまう。また、鉄道会社側と、整備会社側の緻密なコミュニケーションが十分行われる必要がある。
背景 鉄道整備員の人員不足や、また多くの会社が彼らを短期間の契約で雇い、細かい訓練をしないまま、実際の仕事に就かしていることが、今回の事故を招いたと思われる。
後日談 事故後日、チャールズ皇太子がロンドン北にあるバーネット・ジェネラル・ホスピタルを訪れ、被害者を見舞った。皇太子は、事故の遺族に心から悔やみを表わし、また病院で働く人々へ彼らの仕事を褒め称えた。
よもやま話 事故後、多くの人々が病院に献血し、またボランティアとして、負傷者の世話をした。
データベース登録の
動機
最近列車事故が各国で多く起きているため、その背景に興味を持った。
シナリオ
主シナリオ 組織運営不良、運営の硬直化、品管制度不備、不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、機能不全、ハード不良、取付け部品、ボルト、脱落、定常動作、誤動作、使用、保守・修理、不良現象、機械現象、相互運動部、組合不良、外れる、破損、大規模破損、脱線、身体的被害、死亡、身体的被害、負傷
情報源 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/1979782.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/1982317.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/1982889.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/2121366.stm
死者数 7
負傷者数 76
物的被害 ポッターズバー駅、待合室、橋、列車。
分野 機械
データ作成者 飯野 謙次 (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)