失敗事例

事例名称 複写機のミラーが共振して、出力画像が微妙にゆらいだ
代表図
事例概要 複写機のコストダウンで、ミラーの板厚を5mmから4mmに変更したところ、出力画像が微妙にゆらぐ不具合が発見された。ミラー板厚の変更で、強度が下がったうえに、共振周波数が変化し、スキャン(読み込み)時にミラーが共振したことが原因であった。対策として、ミラーの板厚を5mmに戻した。
事象 複写機で、出力画像が微妙にゆらぐ不具合が発見された。
経過 複写機のコストダウンで、図2に示すミラーの板厚を5mmから4mmに変更した(容積で20%減少)。テストしたところ、出力画像が微妙にゆらぐ不具合が発見された。
原因 ミラー板厚の変更で、強度が下がったうえに、共振周波数が変化し、スキャン(読み込み)時にミラーが共振した。
対策 ミラーの板厚を5mmに戻した。
知識化 一見、剛体に見えるミラーも、300mmぐらいの長さになると共振する。これこそ、今まで光学系のミラーとして伝統的に5mm厚を使用してきた理由でもある。ミラーに固有周波数の異なる物質を貼り、共振周波数をずらして共振を防ぐ方法もある。
背景 コストダウンのために、厚みを低減することはよく行なわれるが、本事例のように不具合を発生するケースが多い。厚み低減による悪影響を十分検討することが不可欠である。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、教育・訓練不足、ミラー、非定常行為、変更、設計変更、使用、運転・使用、不良現象、機械現象、振動、共振、機能不全、ハード不良、機械・装置、動作不安定
情報源 中尾・畑村編、実際の情報機器技術、日刊工業新聞社、PAGE177
創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.複写機のミラー共振
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)