失敗事例

事例名称 PLL回路が暴走した
代表図
事例概要 図1のような、電源系の異なるパッケージのインターフェイスで、電源Bを投入後、電源Aを投入したところ、PLL回路(Phase Locked Loop)が暴走した。電源Bの投入で、差動回路の背反入力が同一レベルとなり、出力にホワイトノイズ(周波数が一定しないノイズ)を出した。このノイズにPLL回路が応答し、VCO(入力電圧に比例して出力の周波数が変化する発振回路)の上限周波数で発振を起こし、フィードバックの応答周波数を超えた。このため、電源Aが投入されても規定周波数に戻らず暴走したままとなった。
事象 電源系の異なるパッケージのインターフェイスで、PLL回路が暴走した。
経過 図1のような、電源系の異なるパッケージ(PK)のインターフェイスにおいて、電源Bを投入後、電源Aを投入したところ、PLL回路が暴走してしまった。
原因 電源Bの投入で、差動回路の背反入力が同一レベルとなり、出力にホワイトノイズ(周波数が一定しないノイズ)を出した。このノイズにPLL回路が応答し、VCO(入力電圧に比例して出力の周波数が変化する発振回路)の上限周波数で発振を起こし、フィードバックの応答周波数を超えた。このため、電源Aが投入されても規定周波数に戻らず暴走したままとなった。
知識化 差動回路は2つの入力間が背反になった後でアクティブにする。すなわち、一般に直列になった回路では、前段の電源を先に投入し、前段の出力が整定した後に、後段の電源を投入する。なおPLL回路とは、出力の位相と周波数が一致するように、自動的に制御する回路である。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、手順の不遵守、手順無視、操作手順無視、電子機器、定常操作、手順不遵守、不良現象、電気故障、電源、ノイズ、共振
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.PLL回路の暴走
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)