失敗事例

事例名称 パイプ搬送装置のローラ回転センサが破損した
代表図
事例発生場所 工場生産ライン
事例概要 パイプ搬送装置では、図1のように、ローラでパイプを搬送する。ローラの回転を検出する回転センサは、搬送の衝撃を緩和するため、カップリング接続となっていた。ところがメンテナンス実施後、回転センサ破損の不具合が散発した。ローラやカップリング交換時に行なった現場でのセンサ芯出し作業は、作業環境が悪く、芯出しの調整が不正確であったことが原因であった。対策として、図2のように、回転センサを軸受で固定した共通ブロック上に設けて、プロックごとに固定できるようにした。
事象 パイプ搬送装置で、ローラの回転を検出する回転センサ破損の不具合が散発した。
経過 ローラでパイプを搬送するパイプ搬送装置を設計・製作した。稼動後メンテナンスを実施して、稼動を再開したところ、ローラの回転を検出する回転センサ破損の不具合が散発した。
原因 図1のように、ローラの回転を検出する回転センサはカップリング接続となっていた。ローラやカップリング交換時に行なった現場でのセンサ芯出し作業は、作業環境が悪く、芯出しの調整が不正確でかつ作業時間を多く必要としていた。
対策 図2のように、回転センサを軸受で固定した共通ブロック上に設けて、プロックごとに固定できるようにした。これによって、センサ芯出し作業を、整備場等の良い環境で、短時間かつ正確に行なえる。
知識化 生産ラインでは、精密な調整作業は期待できない。設備コストは若干アップするが、ブロック構造とすることで対応できる。
背景 生産ライン外で準備することを「外段取り(そとだんどり)」といい、ラインの停止時間を減少することができ、生産ラインの装置設計には欠かせない検討項目である。
よもやま話 一般に回転センサや速度センサは軸端に片持ちで固定されるため、軸がふれて「すりこぎ運動」を起こしやすい。この軸端の振動が重大事故まで発展したのが、1972年の関西電力(株)海南発電所第3号機のタービン軸破損事故である。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産工程の配慮不足、ロール、回転センサー、計画・設計、計画不良、使用、保守・修理、破損、破壊・損傷、組織の損失、経済的損失
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.パイプ搬送ローラと回転センサ
図2.回転センサのブロック構造
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)