失敗事例

事例名称 リフマグ吊りビームで片方のスラブが外れ、巻き上げワイヤーがキンクした
代表図
事例概要 リフマグ(リフトマグネット)2個の吊りビームで、片方のリフマグからスラブが外れ、吊りビームが天秤状態となった。このため、吊りビーム側の巻き上げワイアーがシープ部分でキンク(よじれてかみこんだ)した。ワイヤー間隔2300mmに対して、リフマグ間隔3900mmと大きく、片吊りになるとシープ部が支点となり、反対側が浮き上がってしまった。つまり、リフマグの吸着が外れそうになると、吸着を引きはがす方向に、力が働いたためである。対策として、吊りビームの位置をリフマグ位置に近づけ、重量バランスをとった。
事象 リフマグ2個の吊りビームで、片方のリフマグからスラブが外れ、吊りビームが天秤状態となった。このため、吊りビーム側の巻き上げワイアーがシープ部分でキンクした。
経過 図2のような、リフマグ2個の吊りビームを設計製作した。スラブをハンドリングしたところ、リフマグ吸着面の摩耗と吸着面への切削屑のかみ込みで、片方のリフマグからスラブが外れ、図2下のように、吊りビームが天秤状態となった。このため、吊りビーム側の巻上げワイヤーがシープとシープカバーの間に入り込みキンクした。
原因 巻き上げワイヤー間隔2300mmに対して、リフマグ間隔3900mmと大きく、片吊りになるとシープ部が支点となり、反対側が浮き上がる。つまり、リフマグの吸着がはずれそうになると、吸着を引きはがす方向に、力が働らくためである。
対策 図3のように、吊りビームの位置をリフマグ位置に近づけ、重量バランスをとった。
知識化 常にベストの状態(本事例ではリフマグ吸着面)で、装置が稼動するとは限らない。異常な状態(本事例では片方での吊り)になったとしても、さらに大きな問題にならない設計が望まれる。
背景 吊りビーム下のリフマグ吊り位置は、できるだけ巻き上げワイヤー直下に近づける。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、仮想演習不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、構造の問題、バランス、ワイヤー、キンク
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.リフマグ2個の吊りビームとワイヤーのキンクの状態
図3.改造後の吊りビーム
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)