失敗事例

事例名称 ポンプでキャビテーションが発生した
代表図
事例概要 作業機ポンプでキャビテーション(溶存ガスが溶け出すだけでなく、軽質分の蒸発、あるいはその液自身の蒸発でポンプの中で泡が発生して機能しなくなる、機能が低下すること全部を指す)が発生した。吸込み側の配管が直角で、かつ油圧ポンプ入口での分岐が直角のため、吸込み側配管の抵抗が大きく、吸込み圧が許容値以下となったことが原因であった。対策として、曲がり部を大きな曲率とし、分岐部の分岐角度を小さくした。
事象 作業機ポンプでキャビテーションが発生した。
経過 試作機で運転を開始したところ、作業機ポンプ付近で異常音が聞こえた。ポンプ吸込み圧を測定したところ、許容値以下であった。
原因 図2左のように、吸込み側の配管が直角で、かつ油圧ポンプ入口での分岐が直角のため、吸込み側配管の抵抗が大きかったので、吸込み圧が許容値以下となった。
対策 図2右のように、曲がり部を大きな曲率とし、かつ分岐部の分岐角度を小さくした。
知識化 配管の設計は、できるかぎり配管抵抗を少なくすることが基本である。
背景 大気圧下では、油中に空気が通常体積比で5~8%溶解しているが、その空気が局所的圧力低下によって微細な気体の核として析出・遊離して、気泡が生じる現象をキャビテーションという。これらの気泡は、その油が再び圧力の高い場所に達すると、急激に消滅し、その際、局部的に数10MPaの高圧力が発生し、機械の振動や腐食などの原因となる。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、材料的要因、物質名リスト、機械油、気体、不良現象、機械現象、形状、角形状、流体、キャビテーション
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.キャビテーションの発生とその対策
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)