失敗事例

事例名称 空気の汚れでパージエアの光電センサの受光反射面が汚れる
代表図
事例発生場所 工場生産ライン
事例概要 工場の組立ラインで、光電センサの受光反射面の汚れを防止するため、エアノズルから受光反射面にエアを直接吹き付ける方式(パージエア方式)を採用した。しかし、ノズルからエアを吹き付けたところ余計に汚れてしまった。周囲の空気が汚れていたので、ノズルから噴出するエアが周囲の空気中のゴミを巻き込んだためである。反射面のまわりの多孔質面からエアーカーテンを立て、空気が反射面から外部に流れるように改良した。
事象 図2の左のように、エアノズルから受光反射面にエアを直接吹き付ける方式(パージエア方式)で、光電センサの反射面の汚れを防止しようとしたが、余計に汚れてしまった。
経過 エアノズルでエアを吹き付けて、光電センサの受光反射面の汚れを防止しようとしたところ、余計によごれてしまった。吹き付けるエアの汚れが原因と考えて、エアをいくら清浄化しても、反射面の汚れは改善されなかった。
原因 周囲の空気が汚れていたため、ノズルから噴出するエアが周囲の空気中のゴミを巻き込んだ。
対策 図2の右のように、反射面から外部へ向かって空気が流れるように改良した。つまり、反射面のまわりの多孔質面からエアーカーテンを立てた。
知識化 エアを吹き付けるとエア流れの外側が負圧になり、周囲のゴミや汚れを巻き込むことになる。エアを汚染方向に一方向で流すと防塵に使える。
背景 エアを汚染方向に一方向で流して防塵する例を示す。図3の(a)はエアーカーテンで、クリーンルームでもこのようにエアを上から下へ一方向に流す。床の上に立つ人間から出るゴミは床下に流れる。(b)の防塵軸受はシール付きの軸受を使ってもだめな時に使う。まわりに研磨粉がモウモウと舞っている時でも、うまくいく。(c)は無塵ロボットである。腕が伸縮するたびに蛇腹からエアがパフパフ出て、まわりにゴミを巻き散らす。この時、研磨粉は逆流せずゴミを吸い取るために、ロボットの中から空気を吸い込む。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産組織の理解不足、調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、不良現象、機械現象、機械・装置、環境条件、雰囲気、流体、材料的要因、物質名リスト、気体、空気、異物混入・混在、汚染
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.エアパージで反射面の汚れをとる
図3.エアを防塵に使う
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)