失敗事例

事例名称 調査不足で作業をし作業員が土留矢板に挟まる。
代表図
事例発生日付 2001年11月29日
事例発生地 愛知県
事例発生場所 下水道管布設工事
事例概要  緩んだ地山で、軽量鋼矢板を用いて土留め作業中、深く掘りすぎため、地山の崩壊とともに、軽量鋼矢板が倒れ、作業員が挟まれた。
事象  下水道管敷設のための掘削作業において、軽量鋼矢板を用い土留工を施工中に災害が発生した。工事は、水道管布設工事が一月前に終了した場所に、水道管に近接して下水道管を布設するものであった。
 災害当日、朝礼、KYT終了後作業に取り掛かったが、水道管が近くにあるため、水道管の位置を確かめながら、掘削作業を行っていた。当日の作業手順は、水道管の位置を確認し、水道管をよけて、軽量鋼矢板を設置し所定の深さまで掘削し、下水道管を布設する手順であった。
 腹起し(地下に穴を掘る際の土崩れを防ぐために、垂直方向へ配置された矢板を支持する、水平方向へ配置された部材)にジャッキを取り付けようと作業員2名が掘削面に下りたとき、地山が崩壊した。
 作業員2名が軽量鋼矢板と腹起しに挟まれた。
経過  災害当日、朝8時より、朝礼、KYTを行い、作業に取り掛かった。水道管が近くにあるため、水道管の位置を確かめながら、掘削作業を行っていた。
 ドラグショベルにより水道管の付近を約1.3m掘削し水道管の位置を確認し、軽量鋼矢板(2.0m)を左右1.5m間隔で建てこみ(親矢板)、腹起しを取り付け、腹起しにジャッキを取り付けようと、作業員2名が掘削面に降りた。
 その時(午前9時50分頃)、水道管側の地山が崩壊し、作業員2名が崩れた土砂と倒れかかってきた軽量鋼矢板及び腹起しに挟まれた。
 1名は自力で脱出したが、もう1人の作業員は、同僚たちが助け出した。
 1名は無傷で、もう1人の作業員も、打撲の程度は軽症で、午後から作業に戻った。
原因 ・水道管工事が終了して間もないため、地山が、緩んでいた。
・軽量鋼矢板を、1.3m掘削してから設置しようとした。
・軽量鋼矢板の根入れが浅かった。
・地山崩壊の前兆を見逃した。
・埋設物の事前調査及び確認方法が曖昧のまま作業をした。
・作業員の安全に対する意識が不足していた。
対処 ・同僚が助け出したが、病院にも行かず、午後から作業に復帰した。
対策 1.軽量鋼矢板の建てこみを腹起し1段目程度の掘削時点で行う。
2.試掘等を数多く行い、埋設物の位置を事前に正確に把握しておく。
3.掘削面で作業する時は、地上に見張り員を配置する。
4.作業員に、作業に対する危険度(リスク)と危険の回避方法を考える訓練を行う。
知識化 埋設物は事前に正確に調査をしてから作業しよう。
背景 ・KYK不充分
・事前調査不充分
・安全衛生教育訓練不足
当事者ヒアリング ・体中に青あざができていた。
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、企画者不注意、手順の不遵守、手順無視、基本手順無視、調査・検討の不足、事前検討不足、事前調査不足、企画不良、戦略・企画不良、作業工程不良、組織運営不良、管理不良、作業管理不良、定常動作、危険動作、安全不備な動作、不良行為、規則違反、安全規則違反、破損、大規模破損、崩壊、身体的被害、負傷、軽症、組織の損失、社会的損失、信用失墜
負傷者数 1
分野 建設
データ作成者 伊貝 星治 (株式会社 イチテック)
馬場 完治 (株式会社 イチテック)