失敗事例

事例名称 荷を吊り運転中バックホーが転落
代表図
事例発生日付 1981年10月
事例発生地 愛知県
事例発生場所 道路工事現場
事例概要 坂道においてバックホーで荷物を運搬中、旋回して、機体が傾き3、4回転して道路下へ転落し、運転手がバックホーより投げ出されて下敷きになり死亡した。
事象 テールアルメ工事に際し、約60mの距離をバックホー0.4m3によりパネル(940kg)を吊り上げ運搬中、横断勾配23度の道路上でブームを旋回させたところ、機体が立ち上がり、ブーム先端のバケットと履帯とで支える形となった。周囲の者から運転手に機械から避難するよう声を掛けたが5分ほどして、バックホーは3、4回転して道路下へ転落した。その際、運転手は運転席から投げ出されバックホーの下敷きとなり被災した。
経過 テールアルメ工事に際し、朝一番にバックホー0.4m3により現場責任者が、玉掛したパネル(940kg)を吊り上げ、下り勾配の坂道をバック運転で運搬中、通路のカーブから10mほどきて横断勾配23度の道路上でブームを旋回させたところ、バックホーの重心が移動しブームと履帯が直角になったとき、機体が立ち上がり、ブーム先端のバケットと履帯とで支える形となった。現場責任者や周囲の者から運転手に機械から避難するよう声を掛けたが呼びかけに応ぜず5分ほどした時、バックホーは3、4回転して道路下へ転落した。その際運転手は、運転席から投げ出されバックホーの下敷きとなり被災した。
原因 ・バックホーで荷物を運搬した。
・運転手の技術が未熟であった。
・作業計画が間違いであった。
・作業に対する安全意識が不良であり、安全教育・訓練不足であった。
対策 ・荷物は不整地運搬車等運搬車輌で運搬する。
・急峻な仮設道路は作らない。
・作業方法を見直す。
・運転手の技量を考慮して作業配置する。
・バックホーでの用途外使用の禁止。
知識化 ・急勾配のところでは旋回しない。
・バックホーで荷物は運搬しない。
・バックホーで重量物は吊らない。
背景 ・テールアルメ工事は、急峻な場所で用いられる事が多く、仮設道路が作りづらく材料運搬に苦労する事が多い。
・バックホーで運搬すれば他の作業もできて経済的である、という安全無視の考え方があった。
データベース登録の
動機
災害事例、建災防あいち、VOL.S57.1.1
シナリオ
主シナリオ 企画不良、戦略・企画不良、バックホーで運搬、組織運営不良、構成員不良、構成員経験不足、価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、無知、知識不足、運転手技術不足、使用、運転・使用、機械の使用、定常操作、誤操作、運搬、不良行為、規則違反、用途外使用、非定常行為、非常時行為、パニック、破損、大規模破損、転落、身体的被害、人損、転落・下敷き、身体的被害、死亡
死者数 1
分野 建設
データ作成者 伊貝 星治 (株式会社 イチテック)
馬場 完治 (株式会社 イチテック)