失敗事例

事例名称 高所作業車のリフトアームが折損
代表図
事例発生場所 高架道路床工事
機器 高所作業車
事例概要 型枠材を下ろす作業で大幅な過積載で下降中リフトアームが折れた.
事象 高架道路の床版工事に使用した型枠材を地上8.5mの吊り足場からトラックに架装したシザータイプの垂直昇降型高所作業車(積載荷重:1t)を用いて2人の作業者が乗って下ろす際,床から80cmの高さまで積みこんだ時過積載制限装置が作動してブザーが鳴った.しかし,下ろすだけという理由で,ブザーを無視して更に積上げて1.1mの高さまで積みこんだ(事故後の調査で,積みこまれた型枠材は2.6tであった).この状態で,操作装置を操作しても動かなかったため,作業責任者は非常用コックを開いてリフトシリンダーの油を抜くことによって下降させたが,地上4.7mのところでリフトアームが折れ曲がり大きく傾斜し作業者が放り出された.
原因 積載荷重が1tに対して,型枠材2.6t,作業者2人(約0.14t)で合計約2.7tのオーバーロードとして,通常の操作でない方法で作業行ったこと.
対策 安全教育のやりなおし
知識化 作業現場では思いもかけないことが行われている.
よもやま話 この事業場では,リフトシリンダーの油を抜いて下ろす方法は以前から行われていたとのことである.
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、手順の不遵守、手順無視、操作手順無視、警報無視、不良行為、規則違反、法規違反、使用、運転・使用、過負荷、過積載、非定常操作、操作変更、操作手順変更、非常コックを開いて下降させる、破損、破壊・損傷、破壊・破断、高所作業車のリフトアーム折損、作業台転倒、身体的被害、死亡、事故死、地上へ転落
情報源 安全衛生情報センター
死者数 1
負傷者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)