失敗事例

事例名称 線路の亀裂で特急電車が脱線
代表図
事例発生日付 2000年10月17日
事例発生地 英国ロンドン、Hatfield
事例発生場所 Hatfield 手前のカーブ付近
事例概要 キングスクロス駅発リーズ行きの特急電車が脱線した(図2)。
事象 カーブ付近で食堂車を繋ぐ連結器が折れて、特急電車の車両が持ち上がり、脱線した。
経過 A社及び B社が 1999 年 11 月 に線路のメンテナンスを行い、線路に亀裂を発見した。6 ヶ月以内に線路を交換するよう指示されたが、交換しなかった。線路の亀裂が原因で連結器が折れ、115mph で走行していたキングスクロス駅発リーズ行きの特急電車が脱線した。線路は 300 以上の細かな破片となって散らばった。
原因 事故の 11 ヶ月前に行われたメンテナンスで線路に亀裂を発見していたのに、規定された 6 ヶ月の猶予期日を過ぎても線路を交換しなかった。
対処 事故現場と酷似した路線では走行速度を落とすように通告した。
対策 事故後の検査で線路に 300 の亀裂を発見した。A社は 733000000 ポンドを費やして線路の交換を行った。
後日談 A社は殺人罪で起訴された。A社は鉄道に対し、500000000 ポンドの賠償金を支払った。A社の重役であった G氏は退任し、地域主任であったN氏は別の部署に移った。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、手順の不遵守、手順無視、設計手順無視、環境変化への対応不良、使用環境変化、人為的条件変化、限度を超過、物質疲労、割れ発生・成長、振動、繰返し応力
情報源 http://www.guardian.co.uk/hatfieldtraincrash/story/0,7369,426492,00.html
http://danger-ahead.railfan.net/reports/rep2000/hatfield20001017_03.html
http://www.guardian.co.uk/hatfieldtraincrash/story/0,7369,495885,00.html
http://www.guardian.co.uk/hatfieldtraincrash/story/0,7369,529570,00.html
死者数 4
負傷者数 30
物的被害 列車及び線路が破壊された。
被害金額 500000000 ポンド
全経済損失 約 20 億ポンド
マルチメディアファイル 図2.不完全なメンテナンスによる列車脱線事故
備考 負傷者は 30 人以上。
分野 機械
データ作成者 ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)