失敗事例

事例名称 ジェットコースターの追突事故
代表図
事例発生日付 2001年08月06日
事例発生地 米国マサチューセッツ州アガワン市
事例発生場所 A遊園地
事例概要 乗車プラットフォーム付近で 2 台のジェットコースターが追突した。
事象 2 台のジェットコースターを運転中、1 台のジェットコースターが乗車プラットフォームから発車していたところへ、停車するために乗り入れてきたもう 1 台が後部から追突した。
経過 Superman Ride of Steel ジェットコースタでは 2 台のジェットコースターが常時、入れ違いに運転されていた。乗車プラットフォームで 1 台のジェットコースターが乗客を乗せた後で発車し始めたところ、後から乗客を降ろすためにもう 1 台のジェットコースターが乗り入れてきた。後続のジェットコースターは降車位置に停止するはずだったが、停止せずに、発車中のジェットコースターに後から追突した。衝撃によって、1 台目のジェットコースターは 20 フィート進んで停止し、2 台目のジェットコースターは 25 フィートの間隔を置いて停車した。
原因 停車するために乗車プラットフォームに乗り入れてきたジェットコースターのブレーキに欠陥があり、作動しなかった。
対処 救急車と消防車が事故現場に掛け付けた。乗客 19 人全員を近くの病院へ運び、手当てをした。
対策 遊園地は終日営業を続けたが、ジェットコースターは安全監査員が調査を完了するまで閉鎖された。給気システムが鉄製の強化線と取り替えられ、新しいシステムに基づいて、数多くのテスト及び検査が行われた。2001 年 8 月 18 日に運行が再開された。
知識化 遊園地の乗物の欠陥による事故は以外に多い。
背景 遊園地の乗物に関連した事故は、法律によって、政府の安全委員会が調査できないように規定されているため、安全基準に一貫性がなく、また政府も事故についての詳細と原状を正確に把握することができない。また、政府による監督を受けないため、事故数も減少していないのが現状だ。1993 年から政府による遊園地設備の監査を義務付け、遊園地経営者はすべてのメンテナンスを記録し、保存しなければならないという法律を制定しようという動きがある。
後日談 A遊園地の関係者が記者会見で公開した事件記録と事件を扱った警察による事件記録とでは、事実内容に大きな食い違いがある。遊園地当局は「乗客が軽い負傷を負った」と発表したが、警察は「1 台目の乗客は流血、脳震盪、鞭打ち症」を負い、2 台目の乗客については「1 台目の乗客よりも多くの乗客が流血していた」と記録している。
よもやま話 呼び物の Superman Ride of Steel ジェットコースターは 2000 年 5 月にオープンし、1.6km のジェットコースターが最大時速約 130km で高さ 63m まで上昇する。
当事者ヒアリング 乗客 「乗用車が速度を落とさずに、後から追突したような感じだった。」
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、接触、過負荷、想定外負荷、試験
情報源 http://www.cbsnews.com/now/story/0,1597,305160-412,00.shtml
http://newsworthy2.tripod.com/amusement.htm
http://www.s-t.com/daily/08-01/08-08-01/a03sr013.htm
http://members.aol.com/rides911/2001.htm
死者数 0
負傷者数 19
物的被害 追突されたジェットコースターの後部が破損した。追突したジェットコースターの前部が破損した。
分野 機械
データ作成者 ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)