失敗事例

事例名称 DC10第2エンジンの脱落によるユナイテッド航空機事故
代表図
事例発生日付 1989年07月19日
事例発生地 アメリカ、アイオワ州スーシティー
事例発生場所 ゲートウェイ空港
事例概要 デンバー発シカゴ経由フィラデルフィア行きのユナイテッド航空232便DC-10は、1989年7月19日にアイオワ州上空37000フィートで尾部第2エンジンのファンディスクが脱落し、油圧系統3系統を全て切断し、油圧による操縦ができなくなった。アイオワ州スーシティのゲートウェイ空港に緊急着陸を試みた。地面から約6mのところで右翼が地面と接触し、機体は滑走路上を約1200m滑り、機体は火を放ちながらバラバラになり、横転した。事故発生から3ヶ月後にファンディスクが見つかり、疲労割れなどの欠陥が存在していたことが分かった。
事象 デンバー発シカゴ経由フィラデルフィラア行きのユナイテッド航空232便DC-10は、1989年7月19日にアイオワ州上空37000フィートで尾部第2エンジンのファンディスクが脱落し、油圧系統3系統を全て切断し、油圧による操縦ができなくなった。機長のアル・へインズは残りの左右のエンジンの推力でバランスをとりながら、アイオワ州のスーシティのゲートウェイ空港に緊急着陸を試みた。地面から約6mのところで右翼が地面と接触し、機体は滑走路上を約1200m滑り、機体は火を放ちながらバラバラになり、横転した。
経過 乗客285名、乗務員11名を乗せデンバーを出発したユナイテッド航空232便DCー10は、1989年7月19日にアイオワ州上空37000フィートを飛行中、縦型尾翼の第2エンジンのファンディスクが脱落した。その時爆発が起こり、爆発の破片が縦型尾翼に激突し、縦型尾翼を損傷し、油圧系統を破裂させたため油圧系統3系統全ての圧力を失った。残りの2つの左右のエンジンの推力を変化させながら飛行機を操縦し、アイオワ州のスーシティのゲートウェイ空港に緊急着陸を試みた。地面から約6mのところで右翼が地面と接触し、機体は滑走路上約1200mを火を放ちながら滑り、機体はバラバラになり、横転した。
原因 この飛行機に取り付けられていた第2エンジンはGE社製CF6-6 ターボファンで、脱落したファンディスクは1971年9月に鋳造および鍛造により製造されたものである。過負荷によるひび割れや半楕円形の疲労割れがディスクの穴の部分に存在していた。疲労割れはディスクの製造直後あたりから始まっていた様子である。この疲労割れはディスクの穴の内部表面のハードアルファと呼ばれる製造時の欠陥から生じたもので、蛍光浸透技術を使って6回の検査が行われていたが、発見されなかった。
対処 18年間もの間事故がないからといって人の命を預かる飛行機エンジンのファンディスクの取り替えがなかったことが信じられない事実であり、定期的な部品の取り替えを義務つ゜けるべきでる。
知識化 小さな欠陥でも出来るだけ早期に発見しないと、後に大きな問題となってしまう。点検を怠ると、大きな災害を招く。製造の初期段階も製品に大きな影響を与える。エンジニアは製品の材料の性質も詳しく知る必要がある。
背景 疲労割れは約12.7cmは表面にでていたはずだが、それを点検時に発見していれば、事故は防げた可能性がある。また、製造後の検査でハードアルファの欠陥を発見するべきであった。
後日談 この事故での機長をはじめとする運航乗務員たちの勇姿は、事故後マスコミにより大きく取り上げられ、NTSBからも賞賛された。
よもやま話 この事故での多くの人々の勇敢な行動が映画で再現された。アメリカでは「Crash Landing: the Rescue of Fight 232」という題名で、チャールトン・へストンが機長を演じた。
データベース登録の
動機
飛行機が火花を飛ばしながら滑っていく状況がテレビで放送され、強い印象が与えられた。
シナリオ
主シナリオ 誤判断、狭い視野、発見遅れ、不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、組織運営不良、運営の硬直化、品管制度不備、製作、ハード製作、製造工程、品質不良、計画・設計、計画不良、不良現象、機械現象、過負荷、応力集中、破損、破壊・損傷、物質疲労、破損、破壊・損傷、材料強度不足、破断、破損、破壊・損傷、割れ発生・成長、破壊、破損、大規模破損、崩壊、身体的被害、死亡、身体的被害、負傷
情報源 http://www.mae.carleton.ca/Courses/86412/
http://www2.justnet.ne.jp/~satoshitoyama/cadb/wadr/accident/19890719a.htm
http://www.airodyssey.net/graph/ual232rear.jpg
死者数 111
負傷者数 172
物的被害 DC-10飛行機1機
備考 乗客110名死亡、客室乗務員1名死亡、重傷者47名、軽傷者125名、乗客13名は無事であった。
分野 機械
データ作成者 タカミハマダニ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)