失敗事例

事例名称 ガラス搬送ホイストでホイストがレールから外れて落下した
代表図
事例発生場所 工場生産ライン
事例概要 ガラス搬送ホイストでホイストがレールから外れて落下した。LM(リニアモーション、THK社の商品)ガイドの芯出しが不十分だったため、蛇行するスライダに負荷がかかり、保持フレームとガイドとの締結ボルトが破損した。暫定的には、LMガイドの芯だしを規定どおり実施した。恒久的には、スライダを吊り下げ方式からまたぎ方式に変更した。
事象 ガラス搬送ホイストでホイストがレールから外れて落下した。
経過 図1のような、ガラス搬送ホイストを設計製作した。LMガイドは、4方向等荷重タイプ(HSR型)を採用し、作用荷重、寿命とも設計上十分であった。ところが、搬送を開始したところ、突然ホイストがレールから外れて落下し、ホイスト本体と下部コンベアなどの周辺機器が破損した。調査したところ、LMガイドと保持フレームとの締結ボルトが破損していた。また、組立時LMガイドの芯出しが不十分だったことが判明した。
原因 LMガイドの芯出しが不十分だったため、蛇行するスライダに負荷がかかり、保持フレームとガイドとの締結ボルトが破損した。
対処 LMガイドの芯出しを規定通り実施した。
対策 図2のように、スライダを吊り下げ方式からまたぎ方式に変更した。
知識化 LMガイドの芯出しは不可欠であるが、本事例の対策のように、ホイスト落下防止を図り、被害拡大を阻止する本質安全設計が重要である。
背景 スライダを吊り下げからまたぎ方式に変えることで、LMガイドに働く力が引張から圧縮に変わる。
シナリオ
主シナリオ 手順の不遵守、手順無視、設計手順無視、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不良現象、機械現象、過負荷、想定外負荷、継手、ねじ継手、応力集中、破断、相互運動部、外れる
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.ガラス搬送ホイスト(対策前)
図2.ガラス搬送ホイスト
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)